ESSAY

 

й やっぱりゲイじゃないのかな

 

高校生の間はひたすら勉強に打ち込んだ。念願の志望国立大に受かるためだった。その頃はまったく異性も同性も気にしないで接していた。クラスは理系だったので40人中30人が男だった。あの人かっこい〜な〜、話すといつも照れるな〜と思いながらも普通に接しようと必死だった。でもその頃、僕にも好きな女の子ができた。文化祭で一緒に仮装の仕事をした人だった。違うクラスだったのだがすごく好きで、同じクラスの男はい〜な〜と思ってた。他の男とその女の子が話していると嫉妬もしたし、でもなかなか話す時間も無く、結局その人への思いは冷めた。

その間もずっと、他の男の人たちに憧れていた。よくわからないけど、テレビにかっこいい芸能人が出てると必死で見ていたし、録画もした。家族にはバレないように「今週のウルルン滞在記はケニアの奥地の民族についてなんだ、今地理で民俗学してるから、その参考になるかも。」とか言って撮っていた。もちろんといっては変だけど、WATER BOYSも全部録画した(というかこれは、本当の意味で青春映画やドラマが好きだったわけで・・・)。

水泳の時間になると皆更衣室で「面倒くさいよなー」とか言ってたけど、自分はそんなことなかった。水泳も好きだし、男の人の体を見るのも・・・その頃よく、「女の更衣室覗きに行こうぜ」なんて誘われたけど、別に見る気もしなかった。なんでだろう、あ、エロくないからか、なんて理由をつけて自分は女に興味は無いんだなんて思わなかった。

高校生活はそんなこんなで受験シーズンに突入した。3年の夏、本格的に受験生モードに入った(自分の高校では1年の頃から厳しい時間割だったので3年にもなると普通の受験勉強には余裕すら見えていた)。勉強していて休憩時間になると友達とメールばかりしていた。メールくらいしか部屋に閉じこもった受験生の楽しみは無かった。その頃携帯についた「WEB」が広まりつつあり、使用料や履歴なんかを気にしながらも少しHなサイトに入ってみて、男の人の画像を探していた。でも正直、好きになったのは女の子で、同性の相手はただ一緒にいたかった。ただそれだけだと思ってたから、別にゲイじゃないのかなと思っていた。

 

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